side 渉

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お粥を作っている間、兄さんはリビングのソファに座っている。 こちらからは後ろ頭が見えるだけ。 止まった画面のテレビをボーッと見ている。 「テレビにしていいよ」 「――このゲーム、吉村の……」 むっ 俺の事には無関心なくせに、あいつには反応するのか。 「あいつが兄さんが熱下がったら貸してやれって。で代わりに俺がやっててやったの」 「…………」 ピッと電源を入れて対戦し始める。 沢山いるキャラクターから自分のキャラと相手キャラを選んで対戦するんだけど。 何あれ、下手くそ。 全然立ち向かえずにやられてやんの。 お粥をテーブルに置きながら兄さんの顔を見ると、コントローラーを持ってあたふたしている。 真剣な眼差しがちょっと可愛い。 眼鏡がないからか目を凝らしてテレビの画面を見ている。
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