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「もし、これがイベントじゃなかったら俺がきっちりあの女にケジメを取らせていた。俺の女に喧嘩を売るなら俺がその喧嘩を買ってやる。相手が女だろうが、手加減はなしだ」
「……蓮さん」
「軽蔑するか?」
「え?」
「こんな俺を軽蔑するか?」
「……ううん、しない。だって私も同類だもん」
「同類?」
「蓮さんの言葉を聞いて嬉しいと思う私は、多分、蓮さんと同類なんだと思う」
「同類か」
「うん」
「お前と同類なんて最高に嬉しいな」
きっと私と蓮さんは同類。
元クラスメイトの身の安全を心配しない私と女相手でも手加減しないと言う蓮さんは間違いなく同類。
自分の大切なものを守るためには他人を傷つけても構わない。
そう思っている私と蓮さんは世間から見れば私欲にまみれた醜い色に染まっているのかもしれない。
だけど、私はそれでもいいと思った。
だって私と蓮さんの間にある色は透明で光の加減で七色に変化する輝きを持ったとても綺麗なものだから。
それを守るためなら私はどんなに醜い色に染まってもいいと思った。
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