第1章

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満開に咲き誇る桜の木が広い公園内の至る所にたっている。 舞い散る花びらが公園内を淡いピンクに染めあげていた。 「綺麗」 思わず呟いた言葉に、蓮さんが優しい笑みを浮かべる。 『あそこに場所を取ってます』 いつだったか変装用のキャップを準備してくれたハヤト君が指を差す。 その指先を辿るように視線を動かした私は固まった。 「相変わらずすげぇーな」 苦笑気味の蓮さんに 「お前が現役の頃よりは地味にしてるつもりだけどな」 ケンさんが言い返す。 ……はい!? これで地味!? これが地味!? ……おかしい。 日本語的に絶対おかしい。 これで地味なら、蓮さんの頃はどれだけ派手だったんだろう? ちょっとだけ想像してみたけど、どこまでも一般人の私にはこれ以上の派手さなんて想像すらできなかった。
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