第1章

2/3
前へ
/48ページ
次へ
人は戦う。 かつては獣と、魔物と。 少し時が経ち、自分の力に溺れた人々は神に戦いを挑む。 そして勝ち、世界の頂点となった人。それは戦いの終わらない世界の始まりだったのかもしれない。 戦う相手がいなくなった人は、愚かにも同族で争うようになる。 戦いは長く長く続いた。そしてこれからも続いていく。 そんな戦乱の中、世界に小さな木が生まれた。それは人が争っている間に急速に育っていく。そして育ちきり、これ以上の成長がみられなくなった時、人の体に変化が起きた。 突如として魔法が使えるようになったのだ。それは人に新たな力、つまり武器を与えたようなものだった。 戦乱は激化した、あっという間に。 滅ぼした魔物も蘇り、人は戦いに明け暮れる。 戦うたびに人は強くなった。それは底なしの可能性のように。 武器も進化し、より効率的に、効果的に対象を仕留めれるようになった。 そして何より知能が、感情が最も成長した。 それは人に一時的に抑制をもたらした。 人は問う「なぜ人は人と戦うのか?」と、 人は答えた「それは人だからだ」 それは理由になってはいないが、何故か人は納得してしまった。 そして再び人は人と戦う。
/48ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加