風は東から

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「以上にて上級騎士承認式を終える!ユースティア王国の繁栄のため、諸君らの今後の活躍に期待している!」 ザッ、っと黒い鎧に身を包んだ騎士達が一斉に王国式の敬礼をする。 「これから隊分けを行う!希望する騎士団の隊舎に各自向かうように!解散!!」 途端に室内にざわめきが起こる。それもそうだ、俺たちはこの瞬間を待っていたんだ。 「ロイド、お前はどこに行くんだ?」 隣の大男が低く小さい声で話しかけてきた。名はスレイグ・ティタニス。金髪蒼眼の大男だ。背丈は198もある。口数が少なく表情の変化が乏しい。無愛想に思われるが、その実、仲間想いで信頼できるやつだ。 「そうだな…、俺は第12騎士団にするよ。そっちは結局、第13騎士団からのスカウト受けるのか?」 「最初は断ったんだがな、条件付けて入隊することにした」 よく条件を出す度胸があったものだ。正直、団長直々に声をかけられるだけでも恐縮してしまうと思うんだが…、相変わらず抜けているというかぶっ飛んでるというか…。 「で、一体どんな条件だしたんだ?」 「全部で三つ出した。一つ、弟の入学費、学院内での生活費を半分負担。二つ、給料を50%上乗せ。そして三つ目…」 スレイグは一旦区切り、少しだけ口角を上げる。
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