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そして俺が入隊することになる第12騎士団。
先ほども説明した通り、第12騎士団に入隊した者は、第4から第13騎士団から人員を選抜し、自分を含め、3人以上10人以下の混成部隊を作成する。
この部隊は規制があらかじめ緩くされており、ルールや規則に縛られた他の隊より柔軟性のある行動ができるのが長所である。
さらに特別な指示がされない限り、活動報告書さえ書いて提出すれば基本的に自由に行動できるのも魅力だ。
ただ誰でもなれるというわけではなく、上級騎士承認式で第12騎士団団長に名を呼ばれた者だけが入隊資格を得ることができるのだ。
そしてここで呼ばれた者は将来的に最上級騎士になれる確率が高い。はっきり言って自慢できる。
同期では俺を含めて3人だけだ。
スレイグが入隊することになった第13騎士団。
一言で言えば超重装隊。入隊資格も常人ではクリア出来ないほど厳しい。
まず背丈190以上、男性であること。そして脱落者多数の右手左手それぞれ片手で重さ50キロ以上を振り回せれなければならない。の二つである。
武装はユースティアの名のある鍛冶屋を集め作らせた特注品である。
武器は大剣、突撃槍、そして分厚い長方形の大盾。どれもが常人には重すぎて、武器を奪われる心配はない。
そして鎧。鍛冶屋たちが編み出した何層にも合金を重ねる技法。一枚目は硬さに特化し、二枚目は熱を通しにくい、三枚目は電気を通さない、という風に色んな特性を持った金属を重ね、ありとあらゆる耐性を持った最強の防具だ。
何より驚くべきはこの隊は、一度も敗北したことがなく、後退もしたことがない。なおかつ死人どころか怪我人すら出ないという無敵っぷりだ。
それもそうだ。こんな鉄と筋肉の塊が鬼の形相で、その重装からは想像もつかない恐ろしいスピードで突っ込んでくるのだから。
俺だったら迷わず逃げる。
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