第二章 旅行に行こう

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「それではぁ!」 砂浜にいくつものバーベキューコンロが並び、その周りを沢山の高校生達がそれぞれ囲んでいる。 誰もが皆笑顔。 そんな中、オレンジジュースの入った紙コップを片手に、人一倍楽しげな表情をした少女が叫んだ。 「3年E組のぉ! 無事ぃ! 全員卒業を祝ってぇ!」 すぅっと息を吸い込み、一拍空ける。 「かん――」 『乾杯ーーーーーー!』 「!?」 乾杯の音頭が皆の声でかき消された。 「早いよ!」 ドッと皆が笑い出す。 「もうっ」 乾杯のタイミングをずらされた少女も、怒っているのは口ぶりだけで、実際にはこのノリを楽しんでいるのがわかる。 「はーい! じゃあ皆、もう肉とか野菜焼き始めちゃってー」 彼女の名前は【杉並 亜矢】。 今回の『3-E組 卒業旅行』の企画、責任者である。
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