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世界がまだ平和だった頃のお話。
その場所では、様々な種族が、なんと同じ場所に暮らしていたという。
その中でも数の多かった人間・魔人・獣人・霊人・妖精の5種族を筆頭に、お互いの違いを理解し、尊重しあっていた。
そんなある日、不幸な出来事が起こった。
人間が、魔人の子供を殺めてしまったのだ。
完全な事故だったが、人間と魔人の確執は、やがて5種族を分断するまでに至った。
住んでいた土地に線を引き、人間は北、魔人は南、獣人は東、霊人は西、妖精は隠れ里へ。
そう、これが今の5大国家の始まりとされている。
棲み分けを誓ったにも関わらず、人間と魔人は幾度となく戦い、憤り、互いに憎悪を膨らませてしまった。
種族分断から500年後のことだった。世界の歴史史上最も凄惨な人間と魔人の争い、とまで言われた20年前の大戦-アクムノヨル-が起こった。
血を血で洗う様な終わりの見えな争いーー
人間も魔人も、疲弊し切っていた。
では、この争いはどうなったのか?
ーー2人の英雄が収束させたと言われている。
それが、妖精最後の女王と魔法使いの男だった。
争いを止めた後、妖精最後の女王は力を失い、消滅したという。
魔法使いの男は、神をも超えるような力と知恵で、荒れた土地を癒し、世界ギルドを創設した。
いつしか、人々は魔法使いの男を称え、こう呼んだ。
世界の意志、と。
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