第2章

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「どこから転入してきたの??」 晴れて(?)Aクラスとなった俺は、放課後、クラスメイトから質問攻めにあっていた。 「属性は何!?」「使い魔はいる??見せて!!」「得意な実技は??」「どの辺りに住んでるの??」 興味津々で机の周りを取り囲み矢継ぎ早に質問を投げる。俺はただ、相槌をうっていた。 途中から覚えてないが、気がついたら質問の嵐が止んでいたので帰ろうとすると声がする。 「はいは~い、ベイビーちゃ~んたち。」 俺の机の周りにいた人だかりが、一瞬で道を開けた。 というよりは、避けた…ように見えた。 一番奥にドヤ顔で立っていた背の低い男は、オールバックの金髪で、どこか見たことのある容姿をしている。 「君~、僕の側近になることを許可しちゃうよ~!」 側近らしき2人組が、バラの花弁をまいている。バラのシャワーの中をタップダンスでもするように俺に近づいてきた。 「だって僕は美しいだろう~? 美しい僕の傍には、美しいもの集まるんだ~。」 なぜ皆が素直に、道を開けたのかがよく分かった。 「わかるだろう?君も僕のそばに居れることが光栄で堪らないだろう~?」 「遠慮させていただきます。」 横からすり抜けようとしても、すぐに目の前に現れる。 「いいんだよ~僕の美しさに脅えなくて。 ああ、なんて罪なんだ。 僕が美しすぎるあまりに…!」 なるほど、これは厄介。 今度は静かに、教室の扉を開けて廊下に出る。振り向くと、奴はまだ教室の中で何かを叫んでいた。 …ああ、なんて美しい…僕? …教室の外で待機していたリュウと共に、学園をあとにした。
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