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学園の帰り道ーー
転移はせずに、この国最大のギルドへと向かっていた。
ーーーーー
遠目からでも見分けがつく。20年ぶりに見るその建物は、以前と何一つ変わっておらず、綺麗な白い壁に青い十字のシンボル。
これが十字架ではないと分かる人は、俺とリュウ以外にもういない。
「懐かしい…相変わらず、綺麗だ。」
そんな本音が、ポロリと口をついて出た。
「シオン様…。どうか、どうか…。
そんな悲しい顔をなさらないでください……。」
返答に困っていると、リュウは呟くように続けた。
「…私はいつまでも、シオン様と共に…。」
気配を消しているため、すれ違う街の人達は俺の存在に気がついていない。念のため、黒のローブを羽織って、右手を伸ばし、左手を右手に添えた。
その掌の先を、自分の部屋のあった位置へと向ける。
瞬間、右手を強く握り、呟く。
「 」
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