第2章

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「表は大丈夫だったわ。隣の部屋は…嘘であってほしいわね。」 振り向くと、腕を組んだ炎帝がいた。 ーーーシュン「裏を見てきたけど異常はなかっ…こちらはとんでもねぇな。」 ギルドの裏庭の様子を見てきた水帝が、潰れた部屋を見て苦い顔する。ギルマスは、部屋の扉があった、と思われる場所の前で立ち尽くしていた。 近づいて、雷帝が魔力操作により、瓦礫を浮かび上がらせ排除していく。すると、この出来事の異常さが明らかになった。 何もない。 外壁以外のものが何一つ、見つからないのだ。ギルマスは信じられないと言った面持ちで呟いた。 「嘘だろ…。あいつが、使っていた部屋だ。誰も入っていないはずだ。」 この部屋は、世界の意志がかつて使っていた場所。けれど、今は机やイス、それらを置いていた家具の跡さえ見つからない。 ーーーまるで初めから存在しなかった様な、そんな消え方だった。
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