第3章

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6人は夕食を食べ終わり、ウトウトとし始めていた。 数時間後ーーー 5人は眠りに落ちたが、1人だけ眠らない少年がいた。 「リュウ…あいつ、おかしいよね。」 「はい、学生にしては些か魔力が多い気がします、し……」 ―――そう、些か、なのだ。 確かに多い気もするが、それだけなら目に留まらない。 問題はあの少年に、違和感をおぼえてしまうということ。 「なんだ、そういうことか。」 この違和感の原因を探して、思いがけないものが目に入った。 「あれはー…見たことの無い型ですが…。 封印具ですね?」 シンプルな指輪。 「あれは俺の作品だ。」 ハハッ 思わず笑ってしまう。 「魔力を半分に抑えるもので、トレーニング用だ。」 「半分…ですか。」 「不要になり、ギルマスに渡した。取っておいてくれたんだな。」 「ちなみに、当時、あの指輪を使えそうな方は、何人いらっしゃったんですか?」 「5皇帝と…7騎士でも何人かは、つけられたような。」 「ということは、あの少年……。」 「ああ。ギルド所属、それもネーム持ちと見て間違いない。」 あの少年とは面識がないので、俺が抜けた後、ギルドに入ったのだろう。 「リュウ、もうそろそろ夜が来る。俺たちも野営の準備をしよう。」 「承知いたしました。」 リュウが辺りをざっと見てきてくれて、俺たちは6人のいる場所から少し離れた洞窟で、夜を過ごすことに決めた。 「あの6人の様子が気になられますか?」 「…少しだけ、な。」 「彼についてお調べいたしますか?」 「いいや、必要ないよ。」 洞窟の入り口で、暗くなっていく空をただ眺めていた。
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