第3章

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~???side~ 座って木に寄りかかり、闇に呑まれそうな自分を思い出していた。 ふと周りを見ると、僕以外は全員寝ていた。 スヤスヤと寝ているみんなの顔を見て、自然と笑みがこぼれる。 ーこの温かさを知ってしまった。 掴んだものを守り抜く。 僕にはその力が、ある。 木の隙間から空を見つめ、いつまでもこの幸せが続くように願った。 しばらくすると、風の流れが変わり、完全な夜が訪れた。 あたりには不気味な気配が漂い始める。 そろそろ僕が夜の見張りを譲らなかった、その理由が現れるはずだ。 基本的にギルドで受理できる任務のランクは、魔物のランクが基準にして設定されている。 しかし、森の場合は別だ。 例えば、Dランクの魔物がいる森は、Cランクとなる。 つまり、森では、出現する魔物の1つ上のランクが設定される。 “なぜか” ーーーピシャ 細い線に細かく切り刻まれ、倒れる無数の魔物の遺体。 “森の魔物は、夜だけ群となる” ギルド所属者の間では常識も良いところだが、学園の生徒は知る由もない。 ギルド所属の生徒は非常に稀だ。 そばで寝ている5人に襲いかかろうとする、巨大な狼のような風貌の1匹を、光の糸で確実に仕留める。 走り出すと、残った群れは一斉にこちらへ突進してきた。 そのまま木と木の間を縫うように進み、戦いやすい場所を探す。 右手側に洞窟。 丁度いい、あそこに誘い込んで一気に終わらせよう。 そうして、僕は洞窟へと飛び込んだ。 ~???side end~
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