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すると、前回は見つけることの出来なかった、大きな切れ目のようなものが発見された。
それが世界で初めて発見された、黒の切れ目だった。
調査により、そこから流れ出す他界からの強いエネルギーが、魔物に力を与えることが分かった。
その為、他界の切れ目の付近で倒された魔物は生き返ることが出来る。
だが、それは完全ではなく、力も倒される前より圧倒的に弱い。
初めて黒の切れ目が発見された岩場は、鉱山の採掘場で、村人も倒せるような、ランク外の魔物しかいないことは分かっていた。
そんな弱い魔物が、村人を返り討ちにするとは、考え難かった。
ではーーーーー
誰に?
答えは、鉱山の採掘場に住み着いていた、ネズミによく似た小さな魔物。
倒されては、生き返り、更に弱くなったその身を寄せ合い、隠れて暮らしていた。
偶然か、それとも神の悪戯か。
黒の切れ目から漏れ出る強いエネルギーと、それを維持するときに発生していると思われる時空の歪みに触れたその魔物は混ざり合い、一匹となった。
以前を凌駕する力をもって。
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