第3章

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「まあ、あいつなら倒せるか。」 大きく伸びをしながらリュウのほうを向いたが、リュウは眉間にしわを寄せ、黙りこくっている。 「どうした?」 「…恐らく…あの少年に倒すことはできません。」 「どういうことだ?魔物は全部Dランクだったはずだが?」 「今、混ざり合っているものは、SSにはならないと思いますが…Sはありそうですね。」 「そんな変化聞いたことないぞ…? DランクがS? 上手く混ざってBランクじゃないのか?」 「大変申し上げにくいのですが… 群れの中に“大戦の落とし物”を拾った魔物がいたようです。」 思わず歯ぎしりをした。 こんなところにまだ、残っていたのか。 もしSSならネーム持ち1人と互角、またはそれ以上。 そして“大戦の落とし物”が関われば、それは俺の管轄だ。 幸いにも、魔物はまだ完成していなかった。 少年を見ると、洞窟を出てすぐの場所で休んでいる。 今は気がついていないが、これは、まずい。 少年に気がつかれないよう、静かに洞窟と少年の間に結界を張ろうとしたが、遅かった。
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