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森のあちこちで、一斉に青い光が空へと立ち上る。
リュウが安全装置を起動させたようだった。
少年は魔物の元へ辿り着いたようだが、まだ交戦はしていない。
もうすぐ魔物も完成してしまうが、この調子なら全てが上手くいきそうだ。
作業を終えたリュウが俺の元へ戻ってきた。
「学園側はもう動き出すようですね。」
しかし、教師が転移してくることはなかった。
というか、まあ、出来ないよな。
順調に進むと思えた物事が、数分後には笑いながら
“思い通りにさせるものか” と、こうして俺の前へと崩れてみせる。
全く理不尽な世の中、嫌いではないが、好きでもない。
仕方あるまい、と右手を顎に、左手を腰に当て、如何にも考えているようなポーズをとってみる。
それでもやはり浮かばない。
リュウと目を合わせて、首を傾げた。
「…あいつ、何がしたいんだ?」
ーーーー森全体に、結界を張るなんて。
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