第4章

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洞窟内は以前として、緊迫した空気が漂っていた。 正体不明の人物が、5皇帝を前にして、全く動じない。 気味が悪いはずだ。 キィィィィィン 切り込んできたのは、雷帝ライ・アジャック。 素早い動きが得意でー…おっと。 残像を残して動く光に目を向ける。 正体は蛇のような形をとった雷。 自在に動き回り、ライの魔力が尽きるまで命令通りに動く。 使い魔に非常に近い、魔力の塊だ。 違うのは、ライが意識を失っても動き続ける点。 以前はこんなに早く動かせていなかった。 成長したな。 「加勢するわよ。」 炎帝の一声で、水帝と風帝が動き出す。 闇帝は依然として少年の前を動かない。 <シオン様、残念ですが…> こんな形となってしまったが、久々の手合わせだった。 もう少しやっていたかったな。 <分かった。> ライの蛇をナイフで相殺し、彼女の背後へ回り込み、意識を刈り取った。 崩れ落ちるライの体を風で支え、治癒をかけつつ少年の背後へと転移する。 迎えたその着地点の景色に、 思わず、にやけてしまった。 俺の額の位置に、少年が人差し指を向けていたのだ。 「初級魔法の光の矢、僕が放てば、ただでは済みません。 動かないでください。」 思わず漏れた笑い声が、大きく響く。 「ははッ!」 微かに体を揺らすと、頭のすぐ横に魔法が飛んできた。 後ろを見ると、すぐ後ろの洞窟の壁に穴が開いている。 でも、岩が崩れる音はしなかった。ほう。 <リュウ、俺もしかして相当レアな子を相手にしてる?> <いえ、少年の方が、レアな方を相手にしていると思います。> おいおい、コレより珍しい俺って何なの…。 <あー、ありがとう?> リュウにお礼を言ってから少年を見据える。 相変わらず人差し指をこちらに向けていた。 「答えてください、貴方たちは何者ですか。」 その言葉が放たれると同時に、少年の背後で様々な色の魔力が具現化された。 その全てが拘束魔法なことに、異論は無い。
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