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何もかもが美しく可憐。 まるで、アニメか映画から飛び出してきたような少女でした。 彼女は仮面のような笑顔を顔に貼り付けてクラスメイトを眺めています。 石神先生は、彼女の席を指さしてHRを開始しました。と言っても、聞いてる生徒は極わずか。 彼女の注目度の高いこと、高いこと。適当なところで切り上げ、教室から立ち去ると嬌声や歓声とともに賑やかな質問タイムが開始されました。 微笑ましく思いつつ職員室へと足を進めながら、彼女のことを考えます。 そう言ってしまうと、何故だか異性として意識していると問われるがそんな訳はありません。 彼は美しすぎる彼女へ破壊衝動を覚えてしまったのです。 陶磁器のような白い肌に薔薇のような紅い血は似合うのだろうかとか。 苦痛に歪む顔はどうなのかとか。 絶望に満ちた時の彼女の表情は? 想像するだけで汚く醜い欲求は膨れ上がり続けます。 狂ったように泣き叫び、許しを請うのか。 もしくは、全てを諦観したような表情で自分を受け入れてくれるのか? 彼の心は色々な妄想で膨れ上がります。 そんなことを考えていると危うく職員室を通り過ぎそうでした。 慌てて、職員室へ入り、資料をまとめるためにPCに向かいます。 ですが、今日は邪念があるせいか集中が思うように行きません。 先程からちらついているの彼女の醜態。狂ったように助けを求め、叫び惑う姿。 余裕に満ちていたその姿が絶望に変わるその瞬間は彼にとっては最高のメインディッシュ。 血が見たい。 血化粧のなんと美しいことか。 腹の底からこみ上げるその衝動をなんとか抑えつけキーボードを叩きます。 くだらない保護者用のプリント。何人の保護者に行き渡るのか。落書き用紙のように扱われるのを覚悟しながら作成することなどあまりにも、下らない。 最後は定型文を無理矢理埋め込み、トイレに立つふりをして席をあとにします。こうなれば、最終手段。 屋上に行き、フェンスに背中を預けながら煙草を取り出します。 悪いこと、とは知りつつ、生徒が辺りにいないことを確認して煙草に火をつけました。 青空に登っていく紫煙を見つめながら馳せる想いは、ヒトゴロシの感覚。 石神先生は空を見上げながら長い時間、空想に浸ります。 仕事はどうしたの声が上がりそうですが、ここでは大丈夫でしょう。
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