7人が本棚に入れています
本棚に追加
皆様、こんばんわ。
え? こんにちはの時間だ?
え? おはようの時間だ?
申し訳ありません。
私のいる世界は朝も昼もこないものですから。
こんばんわとしか言いようがないのです。
そんなことよりも私の正体を知りたいと?
まぁまぁ、そんな急かさないでくださいよ。
時間はたっぷりあるのですから。
まずはミルクティーでもお入れいたしましょう。
え? コーヒーがいい?
申し訳ありません。
今、紅茶以外は切らしているんです。
ええ、お客様をご招待するには少し不備がありましたね。
それでは、ミルクティーを。
はい?
こんな会話の間で入れたのか?
もちろんですとも。
語り部ならばこれくらいはできないと。
これから、語る物語……。
いえ、語る物語だと重複してしまいますね。
コホン。
これから、お聞かせする物語は、とある快楽殺人犯の物語。
ああ、そんなありきたりのお話は聞き飽きた、と。
まぁ、そういわずに。
お聞き下さいよ。
私が見つけた物語。
楽しんでいただくには十分ですから。
そうそう。
私のことは、黒と白の魔術師とお呼びください。
え? 長すぎる?
申し訳ありません。
それでは、略して、黒白とでもお呼び頂ければ結構です。
さて、始めましょうかね。
とある男の黒の物語と。
とある少年の白の物語を。
そして、それに翻弄されながらも罪を背負った少女の物語を。
最初のコメントを投稿しよう!