宵闇

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  はい そこで終わりましたらば、これはとても良い話だったのですが、このお話には後日譚がございまして 私と共に船に乗った友人は4人いたのですが、彼らは次々と水禍に遭ってしまうのです 一番最初に柄杓の水を掛けられた友人は、自宅の風呂場で溺死しているのを発見されました 次に水を掛けられた友人は酔って用水路にはまったらしく、深さは20センチ足らずだったのですが、運悪く立ち上がれずにこちらも溺死 三番目、四番目の友人はこれはさすがに何かがあるのだろうとお祓いをして貰ったのですが、にも関わらず水の手から逃れる事は出来ませんでした 私はあの柄杓から海水を掛けられた訳ではないので、若干他人事を決め込んでいたのですが そういえば、船にヒタヒタと撒いていた海水が私の足元に来ていた事を忘れておりました あの腕は別に海での仲間を求めていた訳ではなく、荒天の海から私達を守ってくれた訳でもなく ただ水の禍を撒き散らす存在だったのです それから、私の周りにほんの少しでも水辺、水溜まりや洗面器の水なんかも含め水辺が出来上がると、そこからすうっと腕が伸びて手招きをして来るようになりました この手招きに応じてしまうと、私も友人達と同じ目に遭うとは理解しているのですが、逆にこの手招きに応じれば楽になる事も解っているのです 果たして、この誘惑にいつまで打ち勝てるやら…… 困った事にね  その腕      を       見ても   あまり怖くないんですよ  
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