宵闇

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これを現代に当てはめてみますと、鉄製の百人千人と乗客を乗せて走る船にちっちゃな柄杓で水を入れるのですから、ずいぶんと間抜けな構図になってしまいます    第一      に       甲板まで       届く     腕が    な   い まあ、そこまで伸びる腕と言うのも、恐怖っちゃ恐怖でございますけどね そんな訳で、舟幽霊を語るのは不謹慎では無いと思い直したのですが、同時に舟幽霊は現代にそぐわない妖怪になってしまった事も同時に判明した次第でございます やはり、ホラーや怪談と言うものは、もしかしたら自分も同じめに遭うかもしれないと身近に感じて貰わなければ、怖くないものでございますからね まあ、そんな時代外れの妖怪ではございますが 水辺が異界との境である限り、 すい、と腕が     伸びてくる         事も        ご       ざ       い        ま        し        ょ         う ちなみに、舟幽霊の場合ですと、柄杓を求められた折りに底のない柄杓を貸し与えると舟を沈められる事はないので、舟には必ず底のない柄杓が置いてあるのだと聞きましたが   舟が船に変わり、舟幽霊と言う言葉を聞かなくなった今 水辺に現れる腕には何を渡せば良いのでしょうね
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