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今でこそ、野田聖子さんの実例もあり、少しずつ浸透してきましたが、
当時は卵子提供という言葉自体がまだ広く知られてはいませんでした。
インターネットで検索してもどちらかというと批判的なコメントばかりが目につきます。
一番多かったのは、長野県の諏訪マタニティークリニックで行われた姉妹間での卵子提供についての情報でした。
法的に整備されていない中での行為であったため、院長の根津八紘医師は多くの批判を受け、差別的な扱いを受けました。
堂々と祝福されて治療を行いたい、
当事者になれば誰もが思うことなのでしょうが、
不妊治療という法的に認められた医療行為でさえ、他人にはひた隠しにし、隠れるように通院するのが普通です。
ましてや日本では認められていない第三者からの卵子提供にいたっては、とにかくばれないようにする、という思いが強く働くのは当然だと思います。
ですから、実際に卵子提供を行った人の生の声はほとんど聞こえてきませんでした。
そのような中で、インターネットで見つけたエージェントを本当に信頼していいのだろうか、という思いが先行し、なかなか前に進みませんでした。
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