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優真から渡された依頼の記された紙を見ながら死要の控える自室に入り早速見せた。
「…民も馬鹿なんでしょうか」
「馬鹿ではないだろ…多分俺より兄上の方が愛想がいいから頼りやすいんだろうな…ていうか口調、また堅いぞ」
死要の敬語に顔を顰めると、咳払いを1度する。
「…馬鹿でなくても今の城主は実質上灯真だろ?」
「今のここは二城主制だ、父上か兄上、どちらかが倒れても床に伏せても、もう片方がいれば多少違和感はあるだろうが機能はする、それに俺はまだ城主じゃない」
二城主制は優真が決めた新しい方針、現在灯真、優真の父徳川優幻と優真が城主にあたり、灯真はその家族、とされている。
しかし灯真は妻の聖羅とただ戦略を練るだけだった。
「まあ父上が逝ったら城主にされるだろうけど…」
優幻は49歳だ、まだ逝く時ではないし逝かれても困る、それが灯真の本音だ。
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