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「あたしの勝ちだから約束どおり福岡の奢りね!」
南雲優が勝ち誇ったように言った。濡れた黒髪が風に揺れる。
「ちっ」
俺が自販機に百円玉を入れると、優は迷わずポカリのボタンを押した。
「お前この寒いのに冷たいポカリかよ」
「運動したあとはポカリって決めてんのー」
肩にかけていたタオルで冷たいポカリの缶を掴む。
「相変わらずだなお前。こんなときくらい温かいココア飲めよ」
「昇級テスト落ちた福岡君と違って?あたしめっちゃ頑張って泳いだからなあー。暑くて暑くって」
「…お前来月は覚えてろよ」
「……。」
「おい、無視んな」
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