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あの人がくれる、優しく穏やかな気持ち。凪ぐ胸中。
そうすると必ず現れる、過去のあの人。荒れる精神。
進む事を止めたくない。でも何かが立ちはだかる。
振り返る事を拒絶したい。だけど思い出してしまう。
恐怖に近い感情が、私の中にいつも居る。もうあんな思いはしたくないからと、自分に言い聞かせて。
恋なんてしたくない。
愛なんていらない。
(――それなのに、)
毎日重い扉を開き、薄暗い店に太陽の光を入れてくれるあの人。
何かを気にしながら彼の足音を待っている私は、
いったい、
(どうしたいというのだろう……。)
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