~彼女の想い~

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 * * * 今日も変わる事無く繰り返しの一日が終わる。 自宅の部屋、風通しの為開けていた窓を閉め、私は机に向かった。 小さなランプが放つ淡いオレンジ色の光。狭い範囲だけを照らすアンティークランプは、私のお気に入りだ。 随分昔にお祖父ちゃんから貰ったこれが、かなり価値のあるものだと知ったのは、つい最近の事。 鈴蘭の様な可愛らしい形に一目惚れして、店に置いてあったのを欲しいとねだった私。当時の私はアンティークには詳しくなく、ただそのランプが持つノスタルジーな雰囲気に惹かれただけだったのだけど、お祖父ちゃんは嬉しそうに笑って快く譲ってくれた。 『麻衣、縁あるものは直感でわかるものなんだ』 『アンティークには、時を超え心と心を通わす力がある。素敵だろう?』 それが、お祖父ちゃんの口癖だった。 あの店は、私の逃げ場。心の拠り所と言っても良い。あたたかく優しい空気が、程よく外との繋がりを調和してくれる。 此処に居ると、とても落ち着くのだ……。 白と黒のチェック柄のノートを開き、私は今日の出来事をそこへ綴る。日記をつけるのは苦手だったけど、心をリセットするのに良い習慣だと従姉妹が教えてくれたので、頑張って続けていた。 パラパラと日記帳をめくる。  
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