第1章

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 お姉ちゃんのその言葉に、慌てて扉の方を向く。  ………会ったらわかるかも、という淡い期待もあったが。  全然わからない。  誰だろう、としか思えない。  彼が瞬くん、なんだろうけど…。  残念だ。  本当にあたしは、何も覚えていないんだ。  「じゃ、わたし、行くね」  お姉ちゃんは、瞬君に会釈をして病室を出ていく。  こんな状態の妹を任せるなんて、瞬くんは、よっぽど信用されているらしい。
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