第1章

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 お姉ちゃんが出ていった病室。  瞬くん、が、ベッドの隣の椅子に座って、あたしを見つめる。  「えっと……。俺のことも、わかんない?」  「……はい。ごめんなさい」  彼氏、って、立場上、いや、そうじゃなくても、忘れられるって嫌だよね?  「うん…いや、ううん。謝ってもらう事じゃないんだけど」  ハハ、と笑いながら言ってくる。  ………まったく見覚えがない。  誰、この人、としか思わない。  「じゃ…自己紹介から。夏川瞬、です。17歳」  17歳ってことは……あたしより先輩だ。  夏川瞬、先輩。  あたしより2歳上。  高校2年生か、高校3年生。  「……あの、あたし達って、今何年目なんですか?」
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