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「準備出来た?ウリア」
「うん!バッチリだよ!」
「よし。それじゃあ行こっか」
私とウリアは学校の制服に着替えた後、手を繋いで部屋を出た
部屋の前にはシンが何故か一緒の制服を着て待っていた
「ん。準備出来たか。それじゃ行くぞ」
どうやら、シンは私達と一緒に学校に行ってくれるそうだ
正直ありがたい。何もわからない私をリードしてくれるんだから
今思えばこの城から出るのは初めてになる。外の世界がどんなものなのか、かなり楽しみ
しばらく歩くと城の門の前に着いた。シンが門番らしき人物の所に駆け寄り何か話している
しばらくすると、門が大きな音を出しながら開いた
「行くぞ」
「う…うん」
さすがに、これは驚いた。それと音がデカイ
私達が門を抜けると、門の前に一台の車が止まっていた
「おはようございます。シン様、レイス様、ウリア様」
「いい加減、様付けは止めてくれ」
「そういう訳にはいけません。これは仕事ですので」
「はぁ…そうですか」
「「………………」」
まさかの、車通学…ここまで徹底しているとは…ね
「ん?二人ともなにやってるんだ?早く乗らないと遅刻するぞ」
「あ~…うん。分かった」
私達は高級車に乗り込むと、エンジンが掛かり、車が走り始めた
「ふへぇ~…凄い。街ってこんなに広いんだぁ…」
「楽しそうで何よりだ。そんな調子じゃ、学校では、はしゃぎっぱなしかもな」
「さすがの私でもずっとはしゃがないよ」
そして、また外の風景に目を移す。集落で、しかも檻の中で暮らしていた私がこんなに広い街で暮らせるなんて…凄くありがたい。やっぱり、シンにはお礼を言わなくちゃ
車が走ること数分
「皆様、学校に到着なされましたよ」
「ありがとう。二人ともそれじゃあ行くか」
私達は車から降り、学校の門をくぐった。周りを見ると私と同じ制服を着た男女が沢山いた。この人達が私の学友になるんだと思うと高まっていた鼓動が更に高まってしまった
「俺たちは今から学長に会いに行く。はぐれない様にな」
はぐれるは大袈裟だよ。まぁ確かに大きな建物だけど
私達は校舎に入るとシンの歩く方向に着いていくしかなかった
確かシンはここの卒業生なんだよね。
だからこんなに早く歩けるんだ
しばらく歩いていると、2メートル程の高さの扉が目の前に現れた
扉の上を見ると『学園長室』と書かれた札が掛けられていた
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