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「ねぇそこの君」
声をかけられ後ろに振り向くとそこに居たのは金髪に耳ピアス…いわゆる、不良という人達だった
(どうしよう…食堂に行きたいけど…この人達には頼りたくない)
私が自問自答していると不良の一人が話掛けてきた
「ねぇ、大丈夫?」
何が…と、思ったが、私は少し嫌な汗をかいていた。
「ちょっと、凄い汗だよ?本当に大丈夫?」
すると、不良の一人が私の肩に手を『置いた』
「!!」
体がビクッと震え、私の中での地獄がフラッシュバックしてしまった
檻の中…私に群がる集落の男…毎日の屈辱と凌辱された光景
ああ、そうか…いまだに私は、あの日々を恐怖の象徴として思っていたのかと、そう思いながら私は気を失い倒れた
「え!?ちょっと、君!!凄い汗だ…急いで保健室につれていくぞ!」
私は誰かに担がれ保健室に運ばれていると分かった
この人達はあの男達とは違うと思いなら、謝罪と感謝をしながら、シンに謝らなきゃという、感情を抱いたまま意識を失った
その頃、食堂でレイスを待っているシンは……
俺は食堂で食事をしながら、レイスを待っているとレイスに何かあったのをアーカイブによって感じとっていた
(近くに居るやつらは……ああ、こいつらか。なら、安全だな。でも、まさか男に肩を触られた事で集落での事を思い出したか……予想以上にあいつの心に刻み込まれてるな…)
俺はレイスの心のケアの仕方を考える一方、レイスが無理をしている事に少し心が傷んだ
(そりゃそうだ…産まれたときから起きていた出来事を忘れる事はまず不可能…もしかしたら俺にも…無理を……)
そう思うと、少しへこんでしまう。人に無理をされていると思うとやはり、少しはへこむものだ
(とりあえず、レイスの所に行くか)
俺は、食事を終えて食器を食堂のおばちゃんに渡し、食堂を出て保健室に居るレイスのもとに向かった
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