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名もない山の奥にある本当に小さな集落に私は生まれた。
私は、生まれた時から悪魔の子、鬼の子としてその身に余る罰を受け続けた
『貴様は産まれてはいけなかったんだ!!』と言われながら。
もう、何を言われても何も感じなくなっていた。
殴る蹴るの暴行、檻での生活はもう日課と化していた。だけど、顔を殴られる事は無かった
なぜなら、私は悪魔の子。だから、何でもして良いという考えのもとに、私は…性欲のはけ口にされていた
そんな事をされても、何も感じないし何かを思う事も無い。もう、ただの生きた人形になっていた
だけど、そんな私に神様は見捨てたりはしなかった。
私が多分十六歳の時、私は奴隷市場に売られる事になった。
きっと私に飽きたのだろう
私は市場に向かう道中に逃げよう愚行をおこなったが、その思惑は簡単に打ち砕かれた。
理由は簡単な事だ。
私は車でその市場に連れて行かれるから。
この時点ならまだ逃げる事も可能だろう。
しかし、車に乗せられる間は、両腕と両足に鉄枷で固定されるうえに目隠しをされて窓も見れない。よって私は、どうする事も出来ないという訳だ。
後は、誰かが助けてくれる事を祈るぐらいしか出来ない。
希望を持っても無駄と悟った私は、もう希望を捨てることにした。
そんな状態になって数日後、私が市場に売られる日になった。
私は足と手首に鉄枷をつけられ、目隠しをされて車に入れられた
しばらくすると、車は走り始めた。私の感覚だと約二時間程たったときだろうか。
車が止まった。
私は何故こんな事になったのだろうか。何か悪いことでもしたのだろうか。
簡単な事だ。私の容姿が皆と違うからだろう。一人の男がそう言っていた事があった。
皆黒髪なのに、私は白髪、そして赤色の瞳
それだけあれば、私は悪魔の子になり、蔑まれ様々な暴力を受けてきた。だけど、奴隷になれば、そんの事も無くなるのだろうか。そう思うと少し気が楽になった。
そんな事を思っていると、私は担がれた。しばらくすると、硬い床に叩き付けられる様に下ろされた
そして、目隠しがはずされた。目を開くと、どうやら、建物の中に居るようだ。
私は牢屋の様な所に放り込まれた様だ。
辺りを見渡すと、私の他にも市場に売られた人達が居た。中には六歳位の女の子まで居た。悲しみで泣く者、神様に祈りを捧げる者、様々な人達が居た
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