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そういえばいつも蓮って何の武器使ってたっけ…
というか武術鍛錬はほぼ毎日あるんだから忘れるなよな…
「…み君、速水君ー!?起きてますかー?」
あぇ?
「どうしたの?ぼーっとして…」
「あ、海東さん?何か用?」
クラスメイトの海東 薫…
確か能力は未開花だったが弓の使い手だったはず。
「いや…授業終わったよ?」
「あ、そうか次、武術鍛錬の時間だったな。」
周りを見るともう半分くらい生徒がいなくなってる。
「海東さんありがとね。」
取り敢えず三種類ほど剣を腰にさす。うーん…どれを貸せばいいかな。
「遅いぞ速水。」
校庭への廊下の途中で蓮に見つかった。
「文句ゆーな、折角持って来てやったのにさ。」
「そ、そうか…すまないな。」
少し慌てて謝る蓮。
「あぁそうだ、お前って自分の武器なんだっけ?」
「私か?私は普段は刀を使っているが?」
「じゃあこれでいいな。」
俺はそう言うと3本の中の一本を差し出した。
「お前も刀を持っていたのか…。片刃ゆえ普通の人はあまり使わないと思っていたよ。」
「あはは…まぁ一本だけ持ってたんだよ。」
「感謝する。では行こうか。」
今日の武術鍛錬は組手だった。
鍛錬とはいっても真剣勝負だ。
油断していると怪我をする。
そして今日の相手はまさかの滝口…
「なんだ?」
「いやっなんでも!?」
慌てて目をそらす。
武術鍛錬で一番戦いたくないんだ…
こいつめちゃくちゃ強いからな…
「あ、能力は使うなよ?」
「なぜだ?」
そりゃ死にたくないからな。
滝口は少し不思議そうだったが了承はしてくれた。
「では…よろしくお願いします。」
お互いに礼をする。
そして組手が始まる。
能力さえ使われなければまだいい勝負ができると思っていたが…
そんなことはなかった!
開始直後から俺はひたすら防御しかできなかった…
能力による一撃KOがないのが唯一の救いかもしれない!
「どうした速水!そんなものか?」
無論答える余裕などない!
しかし避け続けているうちに…少し隙が見えたっ!
「ここだ!」
叫ぶと同時に校舎の方から爆音が聞こえる。
「なんだっ!?」
目を凝らすが遠すぎて見えない。
いや、何か…人型の何かが飛んでいる!人か?
「片目が赤い…あれは…刻印者だ…!」
滝口が珍しく驚いた表情をして呟いた。
…滝口目がいいんだな。
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