序章 平和の終わり

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~如月 蓮~ 涼…? テレパシーで皆に聞いて見たが誰も知らないのか。 ん、あれは… 私の視界に猛スピードで動く何かが見えた。 そうか速水か! あの方向は校舎に行こうとしてるのか? (速水!) 慌てて呼びかける。 テレパシーの利点はこのように周りがうるさくても確実に聞こえることだな。 (蓮か?どうした?) 速水が足を止めた。 (それはこちらの台詞だ!どこへ行く!) (校舎に決まってんだろ。涼がいるかもしれないんだ!) (校舎には刻印者がいるのだぞ?死にたいのか!) 速水の無茶な台詞に思わず語気が荒くなる。 (何もしないまま死ぬよりましだ!) そうかこれじゃ何もしないまま…涼を死なせるかもしれないんだ… (…っ!なら…) なら… (私も連れて行け!) (危険だぞ?) (百も承知だ!) 速水がこちらに走ってきた。 そして呆れたように笑った。 「無茶するなぁ、お前も」 「お互い様だ。」 「乗れよ」 速水がしゃがみ背を向けた。 おとなしく掴まる。 「落ちるなよ?」 『加速』 周りの景色が急に流れて行った。 そういえば速水は周りが見えているのか? あぁ…こんな時なのにどうでもいいことを考えてしまう! 涼…無事でいてくれ。
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