第1章

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まず人が僕の周りにいるということが、我慢出来ない。 僕のことを知っている人ならいいんだ。それなら別に問題ない。 だが、僕のことを知ってない人の前では、声が小さくなる。 僕は昔から不思議っ子扱いだったので、それを人に知られるのが怖い。 普通の人の前では普通でいたいし、ほんとの自分を知られたくはない。 僕は幼い頃から嫌われ者だったので、もう嫌われたくはないのだ。 嫌われてしまうと、その場に僕はもういれなくなるような気がして。 その恐怖からか、自分からは声をかけられない。誰にも。 勿論、友達とかなら普通に声をかけられる。でも、少ししか 仲良くなかったりしたら、全く声をかけられないのだ。 ほんとは、声をかけたい。でも、無視されたら?嫌な顔されたら? …それが、怖い。それに、いきなり声かけてもいいのだろうか? 吃驚しないかな、不審がられないかな、どうしよう、どうしよう。 そうやって、また話しかけれずに一日は終わりを告げる。 帰ったら一人。友達は、あまりいない。しかも忙しくて遊べない。 ほんとの友達は二人くらいだ。一人はわがままだから、相性が 合わない。けど、腐れ縁ってやつだ。一緒にいたら盛り上がれる。 親は、仕事。僕の学校は昼に終わるから、帰ったら暇になる。 宿題もないし、何もすることがない。唯一楽しめるのが、 趣味の絵だ。目的があれば何時間でも没頭出来る。それだけが救い。 でも、それだけ。友達を増やしたくても、声をかけれない。 父は夜勤だから、昼間は遊べない。遊んでくれない。 父は寝てるか、テレビを見ている。遊んでくれたらいいのに。 でも父も同じアスペルガーなので、仕方ない。そう言い聞かせる。 ゲームもすぐ飽きるし、ゲームに対しては何の必要性も感じられない から、やろうとも思わない。本を読んでいても途中でめんどくさくなる。 友達とバドミントンとかしている時は、趣味より没頭出来る。 けど、友達はあまり遊べる時間がないし、今頃まだ学校だろう。 …何もすることがない。いや、あるのだがやる気が出ない。 どうしようもなくて、ただ泣いて時間を潰すことしか出来ない。 そんな人生は嫌だと嘆いても、何もすることが出来ないのだ。
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