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『ぐうの音も出ない』とはこの事だろう。
敦郎は今頃、自分の弁護士に泣きついているはず。
でも、きっとこれは覆らない。
民事訴訟にして、自分の地位を落とす事は避けるだろうし、今の売り上げを考えれば、私に払ったからと言って、敦郎が路頭に迷う筈もない。
目白弁護士は明日、敦郎の弁護士と会い、最終調整をすると言っていた。
私は離婚届に判を押し、目白弁護士に預けてある。
敦郎がこのマンションの鍵を持っているから不安はある。
でも、私がここを出れば敦郎が占拠するのは名に見えている。
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