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気付けば、モニターの人影は動きを止めていた。
時計は11時を指していた。
美晴に捕食されたアキは、動けずにいた。
当の美晴は淡々に衣類を付け、部屋を出る所だった。
『オーナー、お客様お戻りです』
治雄からの連絡が来た。
バーテンには皆、インカムを渡してある。
チャンネルによって、個別に話も出来るし、全員に指示も出せる。
私の手元にある、機械からは、どのチャンネルの話も聞くことが出来た。
「分かった、今行く」
そう治雄に告げ、モニターを見れば、アキはもたもたと部屋を片付けていた。
『かわいそうに』
そう、精根尽きた彼を可哀想だと思う私は、つくづく美晴に毒されていると思う。
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