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「さぁ、そろそろ亜朱さんがいらっしゃいますよ」 治雄はバーテン達に声を掛け、用意をさせ始めた。 私は、カウンターの端に座り、美晴が飲み残したカクテルを口にした。 ほのかに甘く、飲み干せば胃の奥が急に熱を発する。 こんな強いカクテル飲むなよ! 心の中で毒づきつつも、度数の高いアルコールを飲める美晴を心配してしまう。 美晴は鏡。 そう、私と美晴はお互いを映しあう。 内面なのか、外見なのか。 だから美晴の行動は理解できる。 彼女が『復讐』に生きる様に、私にも『芯』になるものがある。 それは、他人には理解できない事かも知れない。 でも、それでもいい。 自分さえ納得出来れば。
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