第4章 変わる関係

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三和廣人に言われるがまま車に乗り込み、降ろされた場所は見覚えのある高層マンション。 1人で入るのは初めてで緊張する。 マンションのロビーに入るとフロントがあり、受付の人が笑顔で出迎えた。 「こんばんは。お名前お伺いできますでしょうか?」 「は、はい。雨宮舞子と申します」 「雨宮様。お伺い致しております。どうぞお入り下さい」 受付の人が一礼すると自動ドアが開き、私をマンションの中へと迎え入れてくれた。 ホテルのような仕組みに驚きつつもエレベーターに乗り込み、目的の階を目指す。 前回は佐々木圭と一緒だったからか、フロントを通らないルートだった。 こういう所を見せられると、あぁ芸能人なんだな、と改めて思い知らされる。 エレベーターが到着して橘修二の部屋の前でインターホンを押す瞬間「あ、」と声が漏れた。 …………しまった。手ぶらだ。
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