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体調が悪いなら薬なり買ってくるべきだった。
三和廣人と2人っきりの車中に緊張したのと、橘修二の心配で頭がいっぱいだったから…。
ーーーーガチャン。
え?と言う間もなく、開いたドアから伸びた手に腕を掴まれ、その中へと引っ張り込まれた。
「しゅ、修二くん!」
「舞子ちゃん、遅いよ」
玄関で抱き合うような形で向かい合い、慌てて橘修二の胸を両手で押す。
お互いが一歩後ろに下がり、2人の間に空間ができてホッとした。
「修二くん、体調どう?」
私の質問に橘修二の目が泳ぐ。
そして、三和廣人のピアノの先生になってほしいと頼んできた時のように、両手を合わせて頭を下げた。
「ごめん!俺全然元気なんだ」
「………え?」
「どうしても舞子ちゃんと2人で遊びたくてヒロに協力してもらって…それで」
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