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しゅんとする橘修二を見て笑みがこぼれた。
「なんだ、それならそうと言ってくれればいつでも遊んだのに」
「え!ほんと!?」
「うん。だから仮病使うのはもうやめてね?心配するから」
やったー!と喜びながら抱きついてきそうな橘修二を押しのけて「お邪魔しまーす」と部屋の中へ入った。
そうしたのは、赤くなっているであろう自分の顔と、バクバクと鳴っている心臓の音を聞かれたくなかったから。
橘修二にとっては、女の子と2人で遊ぶなんて何でもないことなのだろうけど、私には特別なことで。
冷静でいるフリだけでもしていないと、自分の都合の良いように勘違いしてしまう。
ーー橘修二は私に好意を持ってくれている、なんて。
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