序章―絶望の始まり

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「平凡枠の佐藤花子(サトウハナコ)です。全科目オールおんなじ点なので皆さんの足元にすら及びませんが、よろしくおねがいします。」 平凡枠か、そんなのもあったんだな。てっきり何かに特出した人物のみ集められていたのかと思った。まぁ自分が言えたことじゃないが。 「特技も何もないですが、一応全科目ある程度出来ます。それが私の取り柄です。」 確かに一方向のみ特出したというのもすごいと思うが、全てそつなくこなす方が使えるのかもしれない。 さて、次は僕の番か。 「学級委員長?の鈴木学(スズキガク)だ。ここ以前は獄門高校にて学級委員長をやらされていて、皆の協力あって問題なく一年と半分をすごせていた。」 獄門高校という名前を出した途端、何人かが顔をしかめた。 まぁこれは至極当然な感情で、獄門高校は全国レベルの不良校だ。もちろん嫌われている。 「あのー鈴木君?獄門高校で一年と半分を学級委員長やったって本当なん?」 「あぁ。」 「ほえー……すごかねー。」 そこまで驚かれるほどの事を僕はしていない。何も問題なく過ごしていたというのは本当だ。問題を解決する前に解決されていた。ただそれだけだ。
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