序章―絶望の始まり

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「学級委員長、とりあえずこちらに来てもらおうか。事情は着いてから話す。」 とりあえずこの人達は危険ではないと……思う。誘拐したいなら手を縛っているだろうし、危険な雰囲気はしない。信用してみよう。 「分かった。確かに事情は着いてから説明してくれるんだな?」 「約束しよう。」 焔に着いていくと二十人は乗せられそうな巨大なエレベーターがあった。焔達が躊躇いなく乗ったため僕も乗った。 「到着すればこの異常な状況が理解できると思いますよ。」 「そうそう、きっとびっくりするよ!」 「景色は綺麗ですわ。景色は、ですが。」 エレベーター内の表示が変わり、ドアが開いた。 そこに広がっていたのは 青い空、白い雲、どこまでも通る青い海。――そして、それらには合わない頑丈な檻。端をドームのように囲われ、明らかにここから出す気は無いと告げていた。 「何なんだ……これは……」 「ここは見ての通り船だ。名前は三途丸と言うらしい。」 「ほら、みてないでこっち!」 サンに連れられ、甲板を歩いていくと、そこには十人ほどの学生がいた。
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