序章―絶望の始まり

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「あ、あの……私、三平 方美(サンペイホウミ)と言います、……えっと、東大でお勉強中なので、皆さんのように、素晴らしい成果は出していません!ごめんなさい!」 次に立ったのはおどおどしている髪の長い女の子。見ていて危なっかしく、十歩ごとに転びそうな、そんな雰囲気だった。 「……身長は152、趣味は問題集を解くことです。……あ、あの!ふつつかものですが、よろしくお願いします!」 そう言って勢いよく頭を下げたので、鈍い音と共に頭を机にぶつけてしまった。 「歴史科の焔院 連(ホムラインレン)だ。歴史と言っても俺が得意とするのは世界史だ。日本人どもが小さな小競り合いをしていたというつまらん歴史には興味はない。」 次に立ったのは高圧的な男。先程案内してくれた焔院だ。そう言えば焔院ってどこかで聞いたことあるような…… 「聞かれるかもしれんので先に答えとくが、焔院コンチェルトのCEOの嫡男だ。これ以上の焔院関係の追求は耳障りなので無視させてもらう。」 焔院コンチェルトか。確か世界レベルの大企業だったはずだ。 「庶民には興味なんぞない。以上。」 「俺は地理の菊池樹生(キクチミキオ)っす。地理かは微妙っすけど四国の地図を測量して作ったっす。」 次に立ったのは無地のシャツに、ジーンズをはいた身軽そうな少年。背が高く痩せていて、いわゆるのっぽという部類だった。 「一応世界地理も普通の人よりは上っすし地理の名には恥じない成績のつもりっす。」 っす口調のせいか新垣が顔をひくつかせていた。お嬢様風だしそういうのは嫌いなんだろう。 「よろしくお願いするっす。」
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