序章―絶望の始まり

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「生物の亘理 求(ワタリモトム)です。主に人体系統の研究をやっています。人体解剖は出来ますが、戻せません。」 次に立ったのは白衣を着た男子生徒。さっき迎えに来てくれたメンバーの中の一人だったはずだ。 「172の53キロ。血液型A型Rh+で、趣味は解剖です。一応理科なら大学入試レベル程度までなら全部出来るので宿題とかあったら声をかけてください。」 亘理が座る瞬間、変な声が聞こえた。 「いいモルモットがわんさか……クク……。」 「亘理、今お前か?」 「……?なんのことでしょう?」 「違ったか。いや、すまない。」 「私、地学の古明地 数理(コメイジスウリ)ば言うばい。地学んえらい事言うても新しか石見付けたぐらいしか特にやっとらんばい、みなみたいにすごかなか。」 えっと……古明地数理、地学のすごいことと言っても新しい石を見付けたぐらいしか特にやってないから、みんなみたいに凄くはない……かな。 「あ、こげんなまとるんは、うちんとこだから田舎ばい。あ、そげな事ば聞いてへん?」 こんなになまってるのは家が田舎だから悪い。あ、そんな事聞いてなかった?……かな?
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