序章―絶望の始まり

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「えっと、がいこくごのサン・ジェルマンです。にほんごは、べんきょうちゅうなのでよくはなせませんがよろしくおねがいします。」 こちらも先程案内してくれたうちの一人、サン・ジェルマンだ。かなり小さいが、やはり凄いのだろう。 「し、しんちょうはその……143です。17さいです。こんなにちっちゃいですが、いちおう、なまりもふくめて、50かこくごしゃべれます。I am Sun=Jelman. I can speak fifty languages.」 50ヵ国語!なまりも含めているとは言え、多すぎて想像も出来ない。自分は英語との二ヵ国語で精一杯なのにその25倍。同じ17とは思えない。 「保健を担当する百合ヶ丘つぐみ(ユリガオカツグミ)です!怪我したら私のところに来てください!あ、男はなるべく来ないでください。」 次に立ったのは白衣を着た女性だ。胸が大きすぎて白衣なんかに収まりきってない。正直目のやり場に困った。 「女の子は……ハァハァ……特別丁寧に……ハァハァ……見てあげます……ハァハァ。」 ふむ、女限定の医者か。限定されているのは辛いが、丁寧に見てくれるのは助かる。女が怪我したら連れていってやるか。
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