夜道を散歩オブザデッド

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でーでん でーでん でーでんでーでんでーでんでーでんでーでんでででででで・・・ 「ふおおっ!!」 ああ、びっくりした。ここの家の目覚まし、なんでジョーズなんだよ・・・ 時間は・・・夜8時か。 最後の食事取ってから、作戦練り直して出発。ちょうどいいぐらいだろ。 居間へと移動。 小鳥さんは・・・ソファーか。 「おはようございます。」 「・・・おはようございます。」 なんか暗いぞ?怖いんかな? 「どうしたの?」 「いえ、ちょっと家族写真見て、とりあえずのお別れしてたらセンチメンタルになっちゃってね。」 無理もないか。死んでるか生きてるかもわかんねえ家族を、ここで待つこともできないで、これから離れるわけだもんな。 「・・・うまいこと言えないですけど、再会果たすためにも、生きなきゃ、ですよね?」 「・・・そうね、ごめんなさい。あなたの方が辛いでしょうに。」 「・・・僕は悲しむ資格とかないんで。」自分でも意識せずに、語尾がわずかに強くなる。 「・・・・・・そう。」 何も言わない。 「とにかくそろそろ細かい打ち合わせしましょうよ。」 「そうね。」 二人共にキッチンテーブルへとつく。 「・・・それで?細かい所ってどんな事決めておく?」 「そりゃあれですよ。パターンを決めておけば色んな事態に対処できるじゃないですか。」 「う~ん、そうねぇ。」 気のない返事。 そうか、この人は芸術家肌。僕とは対照的な直感に従うタイプなんだ。 「と、とりあえず僕が考えたのを聞いて下さい。 まず歩く場所は必ず道路の真ん中にしましょう。道路沿いの家の敷地内には大概ゾンビがいますんで、やっぱり気づかれないようにするには、真ん中って決めといたほうがいいと思います。」 「うん。そうね。ほかには?」 「あと大事なのは、どこまで行ったらってことです。 どうしてもデパートまでは上り坂ですから、途中で見つかった時に、進むか戻るか決めておかないと、追いつかれる危険性が高いと思います。」 「う~ん、行けそうなら行く。 ダメそうなら戻るってことでしょ?」 「・・・う。まぁそれはそうなんですけど、例えば、坂を三分の二以上登ってれば進むとか・・・。」 「それでいいんじゃない?」
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