8330人が本棚に入れています
本棚に追加
姿がぶれたかと思うと、すでに家牛の目の前まで辿り着くミカオ。
眼前で姿を表し、至近距離から軽機関銃を撃ちまくる。一匹。
その家牛が倒れるのを待たず、また姿を消し、隣の家牛の前で姿を表し、そしてまた撃ちまくる。二匹。
そこへ仲間をも巻き込む雄叫び。
撃っている最中ではかわすこともできず、吹き飛ばされ、叩きつけられる。
さらに追撃の拳を転がってかわすも、右足を膝下から潰される。
「ああああああっ!!」
激痛に耐えながら、軽機関銃を撃ちまくる。
動けない所へ左右からの雄叫び。
中央でぶつかりあったそれは、ミカオを押しつぶし、軽機関銃を粉々に砕く。
雄叫びが止み、力なく崩れるミカオ。
「・・・私もすぐ行くよ。あの世で元旦那と喧嘩すんなよ。」
悲しそうに笑い、走り出す弦子に四方八方からの雄叫び。
吹き飛ばされ、地に倒れる間もなく、吹き飛ばされ、また吹き飛ばされ、吹き飛ばされ、ずたぼろになり、血みどろになり、倒れる。
それを、呆然と見続けていた小鳥が呟く。
「・・・終わり、だね。
でも。
もう一度あなたに会えてよかった。
愛してる。」
動けないゆうすけを抱きしめ、口づけをし、立ち上がる。
「バァカ、まだ終わってねえよっ!!」
死んだと思っていた弦子が横を通り抜け、走る。
そこに倒れていたはずの場所には土塊のみが転がっている。
雄叫びに向け、真っ直ぐに走り、アサルトライフルを乱射し、倒す。三匹。
相打ちとなり、吹き飛ぶ弦子。
その身体は空中で土塊と姿を変え、そこからまた飛び出す弦子。
家牛の顎下に潜り込み、下からの乱射。四匹。
また仲間をも巻き込む雄叫びに今度こそくらい、連鎖的に残りの家牛から放たれた雄叫びをくらい、固いコンクリートの屋上へと落ちる。
「・・・よくがんばったかなぁ?
みんなよくがんばったよね・・・
・・・先に逝くね。」
正面から放たれた雄叫びを叫びで相殺し、撃ち込む。五匹。
さらにその後ろから放たれた雄叫びを叫びで相殺。その左右からも雄叫びに挟まれ、力負けし、またゆうすけの元へと吹き飛ばされる。
全身から血を吹き出させながらも、震える足で立ち上がる。
「・・・まだ、まだよ。」
最初のコメントを投稿しよう!