希望と絶望。絶望と希望。

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一度離れたその異様な物体が、家牛と家牛の間を飛び回りながら、切断し続け、こちらへと近づいてくる。 ぎゅるるるるる、がしゃあん! 勢いを止めるためか、回転しながら屋上鉄柵に着地。へし曲げながら動きを止める。 その異様な物体は、異様なまでに普通なおっさんであり、小鳥の目には、どこか異様に懐かしい人であり。 「・・・もげおさん?」「・・・あり・・・あはん?じゃねえや、すまん。知らん。こんにちは。また会う日までごきげんよう。」 しゅたっ! そこからバック転し、地上へと飛び降りる。 ここは地上三階。慌ててへりに駆け寄るも、すでに見えない速度で動き回っている。 一瞬の会合で強烈に残った顔型。 どんぐりまなこに途中から直角に落ちた眉毛。 でっぷりと存在感のあるにんにく鼻におちょぼ口。 変な風に変形した耳しの字。 膨らんだ腹はきっと夢と希望が詰まっているのだろう。 その姿は完璧に。 幼い頃から夢で見ていた、ただのおっさんと同じで。 正直、気持ち悪かった・・・
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