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「我の主は、主だけだ
我が主をあのまま死なせる訳がない
……それに、それはサラも所望した」
「それは聞いたけどな
……だけど、死なない存在になるなんて、誰も思わねぇだろ?
今の俺には、生きる糧がいないのに」
ハァ……と大きな溜め息を吐いたルキア。
俺も、周りも放置で、元使い魔と会話している。
かなりマイペースなのだろうか?
「アハハハ!
人間を召喚したかと思えば、弱い召喚獣を使役しているなんて
流石は落ちこぼれだな!」
また笑い声をあげたのは、サイオス。
金色の長髪を、緩く一つに纏めている。
その髪を結っている赤いリボンが揺れる。
因みに、俺の魔力量は少ない訳じゃない。
200mpなのだから、平均位。
一年の平均魔力量は、100~200と言われている。
「我が“弱い召喚獣”……?
人間の小童如きが、我を愚弄する気か?」
コウモリだったその姿が、一瞬で人型になる。
腰より長い黒髪に、精悍な顔立ち。
白いシャツに黒いパンツ。
見た目は人にしか見えないのに、先程コウモリの姿だったのだから、人ではない事は確か。
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