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……って、俺、そんな凄い人を使い魔として召喚したのか?
元賢者様なのだから、敬語を使うべき?
今は俺の使い魔だから、別に構わないのかな?
ルキアは何も言わないし。
周りは驚愕の表情のまま、皆と顔を見合わせている。
サイオスなんて、顔を攣らせているし。
「そろそろ送られた魔力が切れる」
「暫く主を呼ぶな」
魔王の言葉に、頷くしかない、小心者な俺。
仕方ないだろう?
魔王に敵う筈がないんだから。
「主はまだ、目が覚めたばかりだ
人間でいえば、赤子のような存在
それなりに力をつければ、お前では使役できぬ」
凄まれ、言葉が出ない。
「いいじゃねぇか
そしたら、俺は自由にハーリータウンに来れるって事だろ?
今は翼にならずに済むから、ハイドも一緒に散歩できっぞ」
「それは魅力的だな」
掌を返したような反応だ。
魔王が唯一の主と認めた、元賢者のルキア。
俺の使い魔なんて、やっぱり畏れ多いな。
「じゃあな」
その言葉と共に消えてしまった。
そういえば、ハーディネス家に拾われたって言っていたけど、どういう意味なんだろう?
伝えられていたのは、サラが夜御様を好きだったから、結婚しなかったという話だけなんだけど。
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